EBS「偉大な授業」でケヴィン・ミッチェル教授によるAIと自由意志の講義を放送
EBSは、トリニティ・カレッジ・ダブリンのケヴィン・ミッチェル教授を迎え、自由意志の起源からAIの可能性までを紐解く「AIと自由意志」を放送する。進化の過程で生命が獲得した「主体性」の原理に基づき、AIに自由意志や良心を設計できるかという問いに迫る。
EBSは2026年11月6日から11月12日まで、トリニティ・カレッジ・ダブリンのケヴィン・ミッチェル教授による「AIと自由意志」をEBS 1TVにて放送する。講義では、生命体の進化による主体性の獲得から、AIが自ら判断し行動する「人工的存在者」になれる可能性までが探求される。
EBSの講義プログラム「偉大な授業」は、遺伝学者であり神経科学者でもあるトリニティ・カレッジ・ダブリンのケヴィン・ミッチェル教授と共に、自由意志の起源からAIの未来までを探求する「AIと自由意志」を放送する。
私たちは日々、食事や行き先、さらには誰を信じどのような人生を送るかといった数多くの選択を行っている。そしてその選択を「自分自身」で行ったと考えている。しかし、もしその決定が遺伝子や脳、そして積み重ねてきた経験の結果であるならば、どこまでが自由な選択と言えるのだろうか。自由意志を巡るこの古くからの問いは、今やAIへと向けられている。人間のように情報を処理し判断を下すAIも、いつか自らの行動を自ら決定できるようになるのだろうか。
ミッチェル教授は、自由意志の答えを人間の中にだけ求めるのではない。生命体がどのようにして自己を維持し、周囲の環境を感知し、自らの行動を制御する存在へと進化したのかという点まで遡って考察する。
最も単純な生命体であっても、外部からの刺激にただ翻弄されるだけではない。周囲の情報を受け取り、状況に応じて行動する。進化はここに感覚や運動、神経系、学習、そして記憶を加え、生命体が新しい状況下でも何をすべきかを決定できるようにした。ミッチェル教授は、この過程において生命体が自らの行動を制御する「主体性」を獲得したと説明する。人間の自由意志もまた、こうした進化の過程から理解すべきものであるという。
では、進化が作り出したこの能力を、人間が直接設計することは可能なのだろうか。大規模言語モデルは複雑な問題を解き論理的に思考するが、現実世界で直接行動することはない。一方で、ロボットや自動運転車は現実で行動するものの、与えられた目標や制御体系の中で動いている。ミッチェル教授は、知能を高めるだけでは不十分である可能性を指摘する。進化が生命体を一つの「行為者」とした原理を理解すれば、自ら判断し行動する「人工的存在者」を設計できる可能性が開かれるという。
しかし、自ら判断し行動することだけで、自由意志を持っていると言えるのだろうか。人間は自身の思考や判断の理由を振り返り、欲求や動機までも省察する。ミッチェル教授は、メタ認知や自己省察からさらに一歩踏み込み、道徳や良心の問題についても提起する。自由に振る舞いながらも人間社会の価値と調和するためには、AIにも「良心」が必要なのだろうか。
「AIと自由意志」を通じて、生命体の主体性から人間の自由意志、そして人工的存在者の可能性へと問いを広げていく。自由意志はどこから来たのか、そしてその原理を理解すれば、我々も自由意志を設計できるのか。生命の進化から始まった古くからの問いが、AI時代における新たな問いへとつながる予定だ。
EBS「ケヴィン・ミッチェル:AIと自由意志」は、2026年11月6日(金)から11月12日(木)まで、平日の夜11時45分よりEBS 1TVにて放送される。また、EBSのホームページでも見逃し配信が行われる。
Covers K-pop for KSW Journal, and also writes about Culture and K-Variety.
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